Kiss.xxx
□君と。
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「わっ!」
後ろから声が聞こえて振り返ると、祐が立っている。
「ちょっと!なんでそんなとこに居るの!」
まさか、今の聞かれてないよね?なんてハラハラしながら聞くと、祐が私を見て呆れた顔をする。
「おい。カフェオレ頼んだのは杏だろ?温かいのでよかった?あ、体育の後だからアイスの方?」
しまった、という顔をした祐がそう言って私を見る。
どっちでもいいんだけど。
「ありがと。いいよ。ホットでも。今そんな気分だから」
心の中は寒いから。
「あ、ねぇ、祐。数学のノート持ってる?」
「そりゃ、数学今日はあるしな。なに、また貸せってか」
「うん!分からなかったの。
おまけに、先生、書くのも消すのも早いんだもん」
そう言ったら祐が「ま、馬鹿が理解するには時間掛かるもんな」と言ってニヤリと笑う。
【でもさ、聞いた?この前、斎藤告白されたらしいよ】
さっきの美波の言葉を思い出して祐を見る。