躊躇いがちに伸ばした手はいつまでもそこに届かないような気でいたけれど、思ったよりずっと早く彼女の白い頬にたどり着いてしまったので、

私は少し恐ろしくなった。

こんなに美しいものに簡単に触れてしまえるこの手。いとも簡単に、畏怖の感情とは裏腹に、彼女の頬を、作り物めいたその美しい頬を、不器用に

包む、この、手。

瞳を覗き込むように顔を近づけると、彼女の目が微かに伏し目がちになる。

睫の奥に見える、いつだって私にとってはあまりにも眩しい瞳は私を映していなくたって綺麗で、それをとても悲しく思う。

「ねえキスしてもいい?」

互いの吐息がかかるほどの距離でそう問うと、彼女は何も言わずに瞼を閉じた。

彼女はいつだってそうだ。私の問に決して否定も肯定もしてくれない。

彼女が私だけに向けるあの、軽蔑と憐憫に満ちた視線を思い浮かべながら私は、彼女の唇に噛み付いた。







2009-12-15

これでもM.Mは受だと言い張る

おんなのこが年上のお姉さまにむらむらする構図は萌えますとても
むらむらするおんなのこがM.Mでその対象がビアンキならば滾ります、とても

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