「ビアンキちゃんはさ、ケツラクしてんだよね」
ココが、と続けて、男は親指で胸を指した。
人好きのする微笑を浮かべる男を、少女は大きな瞳でじっと見つめていた。
「ちょっと、ヘンなんだよ」
「―ふうん。どこが?なにが?」
「だから、ココが。感性、概念、正義、哲学、道理」
「―ふうん」
「オジサンは嫌いじゃないぜ」
「なにが?」
「そういう子」
おいで、と男は手を広げる。
その中にするりと入り込んで、少女はそっと瞼を閉じた。
意外にも素直に従った少女に、男は思わず目を細める。
淡い色の少女の髪を優しく撫でて、額に軽く口付ける。
あいしてるよと耳元で囁いて、細い体を抱きしめる腕に力を込めた。
「この前・・・お花見のときさ、」
「・・・うん」
「噂の暴れん坊主に会った」
「・・・ヒバリキョウヤ?」
「そう、それ」
「・・・そう」
「あいつもさ、ケツラクしてるよ、たぶん」
「・・・そう」
2010-04-13
しっかりした男前なお姉さまに見えて実は危うくて繊細なビアンキが好き
そしてその危うさを感じてなおかつ受け止められるのはシャマル先生くらいだと信じてる
ビアンキと雲雀は少し似てる気がします。なんか人である限り当たり前であるはずの何かをどっかに落っことしてきたような感じが