「あなたはどうして強いの?」

黒い瞳がまっすぐに俺を見上げた。

長すぎる前髪から覗くその双眸は、俺と対峙するときはいつだってぎらぎらと光っている。

俺はそのことが嬉しいのか悲しいのか、自分でもよく分かっていない。

「僕は群れたくないから強いし、強いから群れない。

あなたは・・・いつだって群れているあなたは、どうして強いの?」

こども。目の前の彼は比類なきこどもだった。そうして俺は大人だというのに、彼の歪さを直してやることはきっとできない。

「―おまえと、逆だよ」

「・・・どういう意味」

「俺は『群れてる』から強い」

思案するように僅かにうつむいて、彼はそれきり黙った。

理解できないものだとか、自分の正義に当てはまらないものだとか、それらとの共存の仕方を、彼は知っているのだろうか。

ああ、教えてやることができるものなら。





2010-03-17

強さの根本は同じなんじゃないかしらんと勝手に思ってますこの師弟
その根本の対象は正反対だろうけど

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