小説

□夢か現実か
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温かい。


外に出て、原っぱで敦也と日向ぼっこ。


ふわあぁ。


眠くなってきちゃった。

隣りで気持ち良さそうに眠る、幼い弟。


大人しいと可愛いのにな。


僕はそう思いながら敦也の赤いほっぺを摘む。


「んにゃ」


変な寝言を言う敦也。


可愛いなあ。


敦也の隣りに横たわる。

敦也はスヤスヤと寝息をたてているのが聞こえる。


そのリズムを聞いてるとこっちまで眠くなる。


幸せ。


今僕凄い幸せだ。


敦也の手を軽く握る。


敦也の寝顔をみながら、
僕は夢へと落ちていった。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「敦也?」


真っ暗。


さっきまであんなに晴れてて明るかったのに。


『よお兄貴』


「敦也っ」


僕は敦也に抱き付く。


『どうしたんだ?』


「えへっ何でも」


敦也だいすき。離れたくない。


『ふーん』


「敦也っ敦也っ」


『ん?』


「手つなご?」


『いいけど、俺達兄弟だぜ?』


「兄弟だからいいじゃん。」


『まあな』


僕らは手を繋ぎながら歩きだした。


「この道長いね、先が全然見えないよ」


『兄貴』


「ん?」


『ごめん、俺その先行けない』


「?何言ってるの敦也」

『一人で行ってくれ』


「やだやだ、一緒に行こうよ!」


『兄貴、頑張れよ』


やだ、敦也


敦也と繋がれた手が離れてしまった。








‐‐‐‐‐‐‐‐‐




「敦也あ!」


目が覚めた。


さっきと変わらない温かい天気。


「夢だったのか」


夢…


ねえ


だけど何で


隣りに敦也がいないの?

「よお、やっと起きたか吹雪」


「キャプテン」


キャプテンだけじゃない雷門の皆がいる。


だけど


何で


「ねえ、敦也は??」








END
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