長編小説

□episode.5 ...or happiness?
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「草灯......なんでだよッ!? なんで俺の耳、とらなかったんだよ!!!!
これじゃあ………草灯は俺の草灯にならない.....」




 伏せられた黒い耳、小さくて可愛い背中、くるまったか弱い身体がカタカタと震える。
伏せられた瞳、うっすらと涙を溜める長い睫、小さくかみ締められた桜色の唇が。



 震えたまま、見上げる。

 伏せられた獣耳で、涙を我慢した瞳で。





ゾクンッ





 理性のままに動いてしまいたくなる。
ついさきほどまでは、苦しめ痛めつけて、あんなにも後悔して、悪かったと思っていたのに。

 ガタガタと指が震える。

 抱き締めたい、触りたい、撫でて、舐め回したい。

 見てるだけじゃたりない。触りたい。

 だけど、触ってるだけじゃたりない、繋がりたい、壊したい、欲しい、欲しい、立夏が欲しい、欲しい、欲しい...




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