長編小説

□episode.5 ...or happiness?
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「うぅん.....」


 身体に触れられている感じがして目が覚めた。
優しく、暖かい手が、身体中に触れられている感覚が、たまらなく安心できて、気持ちいい。

 清明がいつもしたように、身体に触れて、優しいキスをする。


「せ……っ」

「あ、起きちゃった...」


 清明、と、そう呼びかけて、呼ぶ事ができなかった。
目の前にいるのは草灯だったから。俺に触っているのも、キスしているのも、もう、草灯以外いないのに。

 俺の、ばか。


「……あぅっ」


 起き上がろうとして、腰に鈍い痛みが走ったのを痛切に感じた。
痛い、というか、キモチワルイ。

 何で?と、頭を回転させ、思い立ったのは昨日のことだった。

 ハッとなって、頭の上に手を当てる。

 昨日、そういえば、草灯と俺は………つながった?
途中で意識が朦朧として、最後までの記憶が全然ない。
痛み、草灯の苦しそうな顔、引き裂かれる身体。

 あのあと、どうなったんだろう?

 おかしい....なんで、ちゃんと、まだ、耳、ついてるんだろう?

 確かに、痛かった。すごく痛くて、ほんとにヤだった。やめて欲しいと思った。
でも、そんな痛みよりもずっと草灯との繋がりが欲しかったのに。

 もしかして………俺、草灯を満足させてあげられなかったから、草灯が俺のことを”イヤになった”のかな?

………でも、普通、そうだよね……

 途中で意識を飛ばすなんて、記憶がないなんて。
どうかしてる。





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