山賊×情報屋
□Love foods
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「ワレ、ほんまにホタテ好きじゃのう」
――場所はジェイの部屋。
ホタテバーガーを頬張るジェイに、モーゼスはヤキソバパンを一口かじって、しみじみと言った。
モフモフ族の影響か、ジェイはホタテが大好きだ。
現に今ホタテバーガーを幸せそうに(本人無自覚だろうが、顔が綻んでいる)に食べているし、料理する際には必ずと言っていい程、ホタテを入れる。
「まぁ……昔から食べ慣れてますキュ……じゃない、慣れてますから」
思わずモフモフ語が出てしまい、こほん、と言い直すジェイが可笑しくてモーゼスはクカカと笑った。
「笑わないで下さいよ……」
そんなモーゼスに、むっとジェイの顔を顰める。だけどその顔はほんのりと赤く染まっていて、モーゼスは笑いを止める所か、更に激しく笑い出した。
「モーゼスさん!」
「いや、くくっ……悪い悪い。まあ、ホタテもええが、ワレは肉も食う努力もせんとの。そがあにホタテばっか食っとると、背ぇ、伸びんぞ?」
「〜う、うるさいですね!大丈夫ですよ、ホタテだけでも背は伸びますから!」
「いや、それはちとどうかと思うぞ……」
ぱくん、とヤキソバパンに食らいつつ、モーゼスはジェイに呆れた視線を向けた。
頭は良い癖に変な所で抜けているのだ、こいつは。
「まぁ、ええわ。それよりジェー坊、これ食べたら静の大地に行かんか?ギートに久々に会いたいしの」
「まあ、行ってあげない事もありませんよ?」
「素直じゃないガキじゃのぅ……」
ぱっくんとヤキソバパンの最後の一欠片を口に入れて、モーゼスは呆れたような声色とは裏腹に優しい表情を浮かべて、クカカと笑いを零した。
そんなモーゼスにつられたのか、ジェイも目を優しく細めながら、ぱくりと残りのホタテバーガーを口に入れた。
End?