ごちゃまぜ

□お菓子の国のアリト
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「あ、さなぎちゃんのコラボスイーツだ」


プリン、エクレア、ケーキなどのラッピングにさなぎちゃんの姿と「あなたのハートにダイレクトアタック!」の文字。
コンビニで見かけたそれらに名無しは目を輝かせ、少し悩む様子を見せてから、それらのうち五つを厳選しアリトの持つカゴの中に入れた。


「おいこんなに買ってどうすんだよ」
「え? 私のとアリトのとギラグのと、あとそこのイートインコーナーで食べてく分だよ?」
「持って帰る分と買い食いする分かよ…。食い過ぎると太るぞ」
「その分動くから大丈夫。これ全部期間限定なんだから食べれるうちに食べなきゃ」
「てか、オレはいらねえよ」
「ええーもったいない! アリト頭おかしい!」
「おやつ食べないだけでそこまで言われなきゃならねえのか!?」
「だってさなぎちゃんとコラボだよ? このコンビニのスイーツハズレないし…気が狂ってるとしか思えない」
「ケーキやらプリンやら女子供が食うもんだろ。そんなもん絶対食えないね!」


そう言ってカラムーチョをカゴの中に入れるアリトのことを、名無しは可哀想なものを見るような目で見た。


「ドルベってカラムーチョ嫌いそうだよな」
「絶対薄味派だよね」
「ミザエルはどうかな」
「スナック菓子はまず食べないだろうね。飢え死にしそうでポテチしかないって状況になってもギリギリまで葛藤してるんじゃないかな」
「わかるぜ。でもミザエルのヤツうどんには馬鹿みてえに七味振りそうだよな」
「えー、どうだろう。七味は絶対二振りと弱め一振りとか、よくわからないこだわり強そう」
「それありそうだな」
「でしょでしょ」
「ベクターが「よかれと思って、七味を入れておきました!」とかなんとか言ってミザエルのうどん真っ赤になるまでたらふく七味入れて、ミザエルがキレだすんだな」
「アリト…ベクターのぶりっこしてる時の喋り方似すぎ…」
「いらっしゃいませこんにちは! こちら温めますか?」
「あ、はい。お願いします」


おしゃべりに興じているうちにレジの順番がきた。
名無しは笑いを噛み殺しながら会計をすませた。


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