過去拍手文。

□君は酸性
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シトシト雨降る6月

今日も仲良く任務中のイタチと鬼鮫。

雨足が強くなってきたので雨宿り。と思ったら、紫陽花の花の前で立ち止まったまま動かないイタチ。


「お体にさわりますよ」

イタチの体を気遣う鬼鮫。その言葉にも反応せずにイタチはただ紫陽花を見ていた。

「なあ、鬼鮫」

「何ですか?」

「紫陽花の花は土壌の酸性度によって色が変わるらしい」

「あぁ、そう言えばそんな話聞いた事がありますね」

イタチは、まじまじと鬼鮫の顔を見る。

「私の顔に何か付いてますか?」

「土がアルカリ性なら赤。酸性なら青らしい…」

「ええ、それも聞いた事があります。で、それと私の顔と何か関係が?」


「お前は、酸性だな…」

しばらく考えた後、鬼鮫はイタチの言いたい事が分かったらしい。

「言いたい事は分かりました。イタチさんは、私の顔が青いと言いたいんですね。全くあなたは、人が気にしている事をサラリと…」

「気にしていたのか?」

「当たり前じゃないですか!ただでさえ人間離れしたこの顔に青い色。子供の頃どれだけバカにされたか」

「そうなのか。オレはお前のそういう顔が好きだが…」

「え?」

イタチの何気ない告白に鬼鮫の頬が赤く染まった。

「あ…お前今アルカリ性になった」

「紫陽花はもういいです!」



こうして二人は今日も仲良く任務を遂行するのであった。


end.
 

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