宝夢。

□イチャパラの魔力
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「よっ!シカマル」

「あぁ、どうも…」

「しばらく見ない間に
 随分と逞しくなっちゃったんじゃなーい?」

「そ、そう…っすか?別に普通っすけど?」



長期任務から帰還したカカシ先生と
火影室前の廊下でバッタリ出くわした

久しぶりだし何か奢るよ、なんて声を掛けられ
先生が報告を終えて戻るのを待つオレ

つーかあの人、めんどくせぇんだよなぁ…ι







お待たせー、と目を細めて笑うカカシ先生
相変わらずこの人は何を考えているのかわからない

下忍時代から気になっていた、あの怪しい本を片手に
今も俺の隣でそれをパラパラとめくりながら歩く


「みんな元気にやってんの?」

「えぇ…まぁ、」

「オマエ…相変わらず口数少ないねぇーι
 女のコにモテないよー?」

「…べ、べつにいいっすι」


女心がどうのとか、そういう類いの話を
マスクの下でニヤニヤしながら聞いて来るカカシ先生

本気でめんどくせーことになってきた…

里をしばらく歩き、立ち寄った団子屋で腰を下ろすと
先生がポーチから何かを取り出した


「ずっと前からお前に譲ろうと決めてたんだ」

「……何なんすか、コレι」


先生の手に握られていたそれは、紛れも無く…


「イチャイチャパラダイス・上下巻セットだ」


ニコニコと俺を見ながら笑う先生が
だんだんと悪魔に見えてくる
譲るって…てか、頼んでねぇし!!


「何で…つかオレ、まだ未成年……」

「大丈夫、オマエならきっと理解できるはずだよ」

「理解できるって…いや、そーいうことじゃ…」

「昔ナルトやサスケにも読ませてやったけど
 アイツら女ってのを理解していなかったからなァ…
 この良さを分かってくれるのは、シカマル…!
 お前だけだと俺は信じてる…」

「信じてるって…!そんな真顔で!?」



家に戻り、ポーチに入れた本を取り出してみる
表紙には男女が描かれているが、内容は想像すら出来ない


「こんなの…理解できねーに決まってるだろ」


別に興味もないのに読まされるなんて…
精神的苦痛でしか無い
自室のベッドにゴロンと寝転がり、ページをめくってみる

そういや…著者の自来也って人
ナルトの修業を見てくれたっていう、伝説の三忍か…?
ナルトが『エロ仙人』とか呼んでるぐらいだ
どーせ、くだらねー本ばっか書いてるんだろうぜ…


欠伸をしながらパラパラとページをめくっていると
いつの間にか俺は、その本に引き込まれていた


まさか…。くだらねーと思っていたのに!
カカシ先生の言った通り…俺にも理解出来る
これがこの本の持つ魔力なのか!?

周りの音すら聞こえなくなるほどにのめり込んだ俺は
翌日からポーチにあの本を忍ばせていた
空き時間を利用しては続きを読み
気付けばあっという間に二冊とも読破してしまった

いてもたってもいられなくなった俺は
続きの本を借りに、カカシ先生の元へ向かう


「やっぱりお前、俺の見込んだ通りだったみたいネ」

「あの…」

「あー、言わなくても分かってるって!続き、デショ…?」


ニヤニヤと笑いながら先生がポーチから取り出したのは
続編にあたる『イチャイチャバイオレンス』
胸を躍らせた俺が手を差し出すと、先生は真顔で言い放った


「続きが読みたければ、イチャパラを5人に勧めろ
 興味を持たせ、全員が集英堂で購入したレシートを
 お前が集めて俺の所へ持って来るコト!」

「はっ…!?」


まさか、こんな展開になるとは思わなかった
未成年だから本屋で購入できねぇのを知っていて

わざとカカシ先生はこんなことを……


「出来ないって言うんなら…あと数年待つんだね」

「やっ、やりますッ!!」


カカシ先生は俺を虐めて楽しんでいるかのように
マスクの下でニヤリと笑った






。*゚'゚*★*゚'゚*★*'゚'*。

ドMのカカシ先生…
やっぱりドMだったのか
(≧∇≦)
ルナちゃん、ちゃっかりいただいちゃいました
楽しい話をありがとう
くう助。
゚*,。,*★*,。,*★*,。,*゚

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