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□事務所にて
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「ヤコ…。」
だから、そんな色っぽい目でみないでってば。
「だ、駄目だってネウロ……ただでさえ魔力少ないのに…。」
「我が輩、風邪等ひかん。」
「そんなの分かんないって!ネウロはもう少し自分の体ちょ、ゴホッ、ゲホゲホ、」
私が言葉の途中で咳き込むと、ネウロはそっと背中を撫でてくれた。
この魔人は私が弱っているときに限り、DVをかましてこなくなる。
それはとても嬉しい。愛されてるなあ、ってちゃんと再確認できる貴重な機会でもあるし。
でも、でもね?
「ヤコぉ……。」
ああもう…
「キスしたい。」
「感染っちゃうよ…。」
「させろ。」
そう、いっつも最後は命令になる。
いやじゃ、ない。もちろんそうなんだけど。
「今までだって感染らなかったのだから、いいだろう?」
「そうだけど……。」
感染る、なんて本当は建前。
本当は、ね。
「ん……む…。」
唇がいきなり重ねられた。けれど、そのキスは驚く程優しくて。
いつもはあんなに、激しく貪る癖に。
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