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□音(微グロ)
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 目隠しをされた。
 暗闇の中、俺の視界はゼロだ。
 さらに無音。世界って寂しいんだな。

「さぁ、バクフーン」
「!」

 唐突に声がかけられた。
 知らない男の、いやらしい声色。やめろ、気持ち悪い。

「見えぬ敵を、殺せ」
「ひっ、」

 そう言われると、おそらく、位置で言うなら目の前数十メートル先に怯えた声が聞こえた。
 まだ若い、むしろ幼い子供。女の子の声だ。

「早くしろ。燃やせ」

 命令するんじゃねぇ。俺はそのためにここにいるわけじゃねぇんだ。

 じっと動かずに女の子に意識を向けておく。
 向こうさんは怯えきっていて、動く気配すらない。

 一歩、前に出てみた。
 ひっ、と怯えた声がした。

「や、やぁ……っ!」

 俺は、この子の顔が見たかった。
 この子を傷付けるなんてしたくなかった。

 怖がるなよ。
 なぁ、俺の声、届かねえの?

 男の声なんかもう聞こえてなくて、目元に手を伸ばす。
 目隠しなんか取ってやれ。この子を守ってやりたい。

 でもいくら伸ばしても引っかいても、布や紙や、自分の目を覆ってるものなんかなくて。

 そして、思い出した。

"この女が、俺の目を奪ったんだ"











 音が止んだ。
 もう、何も聞こえなくなった。
 これで良い。あとは遠くで聞こえる音だけを、聞いてやろう。




(その日、一つの研究所が、全焼した)
(中に居たものは、全て灰になってしまったという)

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若干グロでした。
えっと、グロいのが書けないのであえてぼかしました(笑)
 

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