オリキャラ短編2
□君恋染めし初めなり
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本日晴天なり。
雲1つない青空の下。
政宗は縁側に座り、つまらなそうに足をぶらつかせていた。
着物は何時もより上等なもの。窮屈で仕方ない。
何故か知らない内に縁談がまとまっていたらしい。
今日は見合いだ。
全く、くそ面白くもねぇ。
心とは裏腹に、一点の曇りもない晴天である。
「はぁ…」
溜め息も出ようものだ。
結婚なんてしたくない。
束縛は嫌いだ。
それに…どうせすぐに嫌われる。
それなら最初から近付かれないようにしよう。
思い切り睨み付けてやろう。
そうすればきっと、傷付かないで済む。相手だって傷付けないで済む。
「政宗様、時間です」
小十郎が呼んでいる。
…行くしかないか…
「今行く」
少し気合いを入れる。
バネのように跳ねて立ち上がる。
…林檎のような爽やかな香りがした気がした。