BASARA短編
□政宗・命日
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あぁ、今日も鳥が飛んでいる。
鳥になりたいと願った、龍の、生まれ変わった姿。
今日もその鳥は城の門の上に止まり、じっと、その国を見つめていた。
時は太平の時代である。
既にあの動乱の時を知るものは少ない。
轟く雷鳴のごとく、動乱の世を駆け抜けた龍はもう既にない。
その傍らに寄り添うようにしていたもう一人の龍も既にない。
奥州はのどかに、田植えの季節を迎えている。
鳥はやがて飛び立ち、幾数かの鳥を率いて、山へと帰っていった。
寛永13年5月24日 仙台藩初代藩主 伊達政宗公 永眠
End