銀色金木犀

はちみつ檸檬の憂鬱
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朝から頭がぼーっとして仕方がなかった。

何かしたかな?昨日遅くまで起きてたからかなと考えを巡らせ、新八くんが来るまで朝ごはん作らなきゃとぼーっとする頭を無理矢理働かせて朝食を作りはじめた。

「おはようございます夏也さん。何か手伝いましょうか?」

いつの間に来たのか新八くんが台所にやって来た。

「おはよう新八くん。そろそろご飯出来るから銀さん起こして貰える?」

「夏也さん大丈夫ですか?顔赤いですよ。体だるかったりしないですか?」

「ホント?でも何ともないから大丈夫だよ」

「……なら良いんですけど体がしんどくなったら休んで下さいね」

新八くんは心配そうにそう言って銀さんを起こしに行った。

正直言って体も朝からずっとだるい。でも新八くんと銀さんに迷惑かけちゃうくらいなら上手く隠して薬をお登勢さんにもらいに行こう。そう決意をして朝食づくりを進めた。

「ったくもうちょい優しい起こし方できねーの?だからお前はダメガネなんだよ」

「ダメガネ関係ないでしょ!?今日は珍しく依頼があるから早起きしろって言ったの銀さんですよね。なんで集合時間に起きるんですか!!」

「自然の摂理だ」

「偉そうに言うなよ!どうせ昨日も飲んでたんでしょう。ホントに毎朝起こしてる夏也さんを尊敬しますよ」

居間に朝食を運ぶとそんな会話を繰り広げていた。新八くんは銀さんを起こしてついでに着替えさせたらしい。新八くん良いお母さんになるよ。

「新八くんありがとう。あと銀さんおはよう」

「いえ、僕朝ごはんの準備手伝ってないからコレくらい朝飯前ですよ」

「おはようさん。そうだぞ夏也こんなダメガネに礼言う必要ないから。何にも出てこないから」

「「アンタにだけは言われたくないわ」」

おおっハモった!と心の中で感動しつつ準備をしてお茶を台所から持って来ようと立ち上がると目の前がグラリと揺れた気がした。

「夏也さん⁉︎」

「おい、どうした!?」

あれ?私倒れたのかな?視界が真っ暗になる前に心配そうな表情の二人が映っていた。

「あっ気がついた。夏也さん大丈夫ですか?今銀さん呼んで来ますね」

目を開けると新八くんが心配そうに私の顔を覗いて聞いてきた。
なんで寝てるんだ?なんかスッゴい頭がぼーっとするんだけど。とぼんやり考えていたら新八くんが事情を話してくれた。

「さっき倒れたんですよ。熱があるみたいなんで今日は休んで下さいね。冷えピタ、貼り替えますね」

「ありがとう。なんかごめんね」

「気にしないで下さい。食欲はありますか?一応食べられそうなもの作ってきますね」

そう言って新八くんは冷えピタを貼り替えたあと後襖を閉めた。
そうかココ、銀さんの部屋か……

「二人に迷惑かけちゃった」

風邪のせいか変にネガティブになってしまう。しばらくして気だるそうに銀さんが襖を開けて入ってきた。

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