青い妖精

□第一章
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side―アン―




〈……っ!!…っ!!…〉

『?』



電話に耳を当てていた私は首を傾げた。

目的地に近づいたので次の指示を確認するために主人に電話をかけた。

しかし、電話の向こうからは銃を打ち続ける音と遠くで誰かが声を張り上げているのが微かに聞こえるだけだった。



『もしもし?』



呼びかけてみるが向こうから返答はなかった。

一度切ってみようかと思い始めた時、誰かが受話器を荒々しく取ったのがわかった。



『もしもし?今、連絡を入れようと…』

〈アンか!?ちょうどいいお前、今すぐ帰って来い!!〉

『え?』

〈え?じゃねぇ!!今すぐ帰れ!!〉

ブチッ!!ツー……



一方的に切られた…



『…はぁ』



ため息をつき車の向きを変える。



(…まぁいいか。今回は正直乗り気じゃなかったし)



掃除するように言われた人物を調べて、幼い娘がいるのがわかった。

どうしても目標に子供がいるとわかると気分が沈んでしまう。

人を掃除する事には慣れたけど…

子供の泣き顔だけは胸が痛む…



(…痛い…か)



感傷に浸る自分に気がつき、自嘲気味に笑みがこぼれる。

目を閉じて、頭を白紙にしていく。

再び目を開けると、日は傾き出していた。



(…さて、主人が待ってる…)











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