story


□My flower
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二度と会えない気がして

離れないように 遠くへと君を拐った

"二人だけの世界"

僕の言葉を素直に受けて 君は微笑んでいた

そして 流れる時が互いにより一層 恋をさせた










だけど御伽話は永遠なんかじゃなかった



いつしか二人は追われる身になった

追う方はただ 捜しているだけなのだろう

だが どんなに必死に捜されようとも 見付かる気はなく

見知らぬ地へと逃げた







それから月日は流れ

僕らの存在の有無を信じる者も少なくなった



そして 僕を残し 君は天に戻って行った

残骸は無く 代わりに沢山の羽が空に舞い 地上に落ちた



僕が君を世から奪ったその時既に

君は帰らなきゃいけなかった

だけど 無知な僕は気付かぬうちに 君を飛べない天使にさせた

天使の命は初恋が叶うまで

余生は少ないのだ







黙っていたこと それも 愛なのだろうか

理解していると錯覚させたのも 愛なのだろうか

僕は君の強い愛によって 護られていた

今度会えた時は 影で泣かせたりさせないから



















沢山の涙は抜け殻に寄り添って咲いた 小さな芝桜へと落ちて 命を与えた








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