閃良(♀)小説
□すべてのきっかけ
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「良守、良守!」
今日は朝から、いつも眠りを妨げてくる祖父が居ない。
ゆっくり眠れると思い、眠りについたのが昨日の夜。
「良守!遅刻しちゃうよ!」
父の必死な声にやっと目を覚ます。
近くの時計に目をやると、登校時刻まであと10分もない。
「うわっ、やっば!」
「やっと起きた」
「もっと早く起こしてよ父さん!」
「もう、20分前から声をかけてたよ」
バタバタと洗面所に急いだ。
「良守、朝ごはんは?」
「いらない!」
そして、急いで制服に着替える。
「良姉、寝癖ついてるよ」
「うん、いいの。いってきまーす!」
「「いってらっしゃーい」」
慌しい姉を見て、弟の利守は苦笑する。
「あれでも、今どきの女子中学生なのかな?」
隣の父に問いかける。
「こんな環境だから、仕方がないんだけれど…あ、利守、寝癖。」
「ほんとだ」
洗面所に行き、ブラシで寝癖を寝かす。
このあたりは、弟の利守の方が身だしなみはしっかりしていた。
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