Dream =Short=
□Favorite
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「…んぁ?何、天雅せんせー」
きょとんとしながら、しかし手は止めない。
自分以外の誰も突っ込まないのは、もう当たり前の現象となっているからなのか。
いや、しかし。これは突っ込まざるを得ないだろう。
「…何、してるの?」
「え、何って…エビフライ切断?」
「いや、あの…」
その答えもどうなんだ。
初見の者ならば、首をかしげる行為だろう。
青い髪の青年ことジュダが、自分の皿のエビフライをナイフで見事に尻尾と身の部分に切り分けている。
それだけならまだ普通なのだが、ジュダは切り分けた身の部分を、横の席のアレスの皿に放りこんでいるのだ。
つまり、ジュダの皿に残っているのはエビフライの尻尾部分のみ。
「…エビフライ、嫌いなの?」
「え?何で」
「何でって…」
心底不思議そうに問い返してくるジュダに、逆に言葉に詰まってしまう。
わからない。彼の行動が理解できない。