Dream =Short=
□Favorite
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もふもふと口を動かすジュダを、天雅は微笑ましく見守る。
そこでふと思いついたように、ルクティスが口を開いた。
悪戯を企む子供のような顔をしながら、天雅にしか聞こえない声で囁く。
「せんせ、ジュダが尻尾好きになった理由…知りたくないっすか?」
「え?理由があるの?」
「ありますよー。いじらしー理由がね」
にやにや。
ルクティスがあまりにも楽しそうなのもあり、好奇心から頷く。
そうこなくっちゃとばかりに、彼は語りだした…。
「…もーらいっ!」
「あ、十代!それ俺のエビフライだろ!?」
「…え……ダメ…?」
「う、上目遣い反則!!…はぁ〜…いいよ、もう」
「やーりぃ♪」
ジュダがまだ学校に通いだす前の、とある日の夕食時。
献立はエビフライ。自他共に認めるエビフライ好きの十代はいつものようにヨハンの皿からエビフライを奪取。
いつものことといえばいつものことなのだが、その日ジュダ少年は自分の料理には手をつけずじっと両親を見つめていた。
「エビフライって美味いよなー♪レッド寮の月に一度のエビフライ、思い出すぜ」
「懐かしいな…って、あの時も十代に根こそぎ奪われてた記憶しかないんだけど…」
「だって腹いっぱい食いたいじゃん!トメさん料理上手だったし……元気にしてっかなー」
「……ドローパン買ってたっけな、その日は…はは」