Dream =Short=

□迷子の名探偵
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―――童実野町の一角、一見しただけでは古ぼけた一軒家。実はそこは知る人ぞ知る、探偵事務所なのである。

ジュディン・アンデルセン。通称『迷子の名探偵』。

迷宮入りするような難事件でもあっさり解決するが、現場で絶対迷子にもなるという変わった噂で知られていた。















「……今日の仕事は〜、迷子のペット探しだな!」

「途中から迷子の探偵探しになるのでやめてください。ミイラ取りがミイラになっちゃったら意味ないでしょ」

「…天雅ぁ…」

「そんな目で見てもダメです。こーゆー類は俺に任せて、もっと別の仕事をしてください」


家賃払えなくなっちゃいますよと漏らせば、ジュディンことジュダは慌てて他の依頼書に目を通し始めた。



このご時世、探偵が必要とされるのは大抵迷子になったペットの捜索や、浮気調査ぐらいなもので。



そういう関係の仕事に、自他共に認めるすさまじい方向音痴であるジュダは全くと言っていいほど向いていなかった。



助手である天雅がいなければ、恐らくこの事務所はあっという間に潰れていただろう。

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