ショート劇場

□クリスマスは静かに過ごしたい!?(番外編)
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佐伯克哉さん(ノーマル)の場合。

今日は珍しく佐伯が

『今日は、お前が会社に行け』

とか言い出したので、会社に出勤したはいいが・・・。

「克哉!どうせお前、暇だろ?俺の家で、飯でも食おうぜ?」

クリスマスに予定がないと、必然的に本多と過ごす羽目になるが

どうせ佐伯は何もしてないだろう。

「うん。いいよ」

「それなら、一緒に家に帰ろうぜ」

軽く頷いて、クリスマスの夜を、一緒に過ごす事を約束した。



退勤時間になり、本多と連れたって会社を出ると携帯が鳴った。

「ちょっと、ゴメン」

本多から少し離れて、電話に出ると佐伯だった。

『仕事、終わったか?』

「えっ?うん、終わったけど・・・」

いつもそんな事を気にする佐伯じゃないので、不思議に思いながら耳を傾ける。

『・・・それなら、早く帰って来い』

「あっ!でも今日、本多と約束したんだけど・・・」

『本多か・・・。じゃあいい』

そして、ブチッと通話が切れてしまった。

「・・・」

(もしかして・・・)

本多がこちらを伺うのを見ながら、佐伯の電話の意味に苦笑した。





「ただいま!」

「・・・」

本多と別れて帰宅すると案の定、食卓に料理が並んでいた。

ベッドの横に腰掛けて、本を読む佐伯にもう一度言う。

「ただいま《俺》」

「・・・お帰り」

少しだけふて腐れている雰囲気を醸し出す佐伯に、横から抱き着いた。

「急に何だ?」

驚いた顔でオレを見る佐伯に、微笑み掛ける。

「うん?ただギューって、したくなっただけ・・・」

「・・・」

「ありがとう《俺》」

佐伯はパタンと本を閉じると、オレの腰に手を回す。

「んっ・・・」

「礼は食べてから言え」

軽い口づけが終わると、佐伯と食事を始めた。
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