ショート劇場

□クリスマスは静かに過ごしたい!?(ノーマル編)
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御堂孝典さんの場合。

X'masは、やっぱり仕事になった御堂さん。

そんな御堂さんに、料理を作って部屋で待っていた。

「まだかな?」

雪も降ってくる程に、寒い部屋で一人は寂しい。

けれど他でもないオレの所に、帰って来てくれる。

そんなバカップル並の幸せが、今のオレを包んでいた。

けれど・・・。

『すまない。まだ仕事が掛かるから、先に休んでくれ』

「・・・分かりました。気を付けて、帰って来て下さいね?」

『ああ。ありがとう』

電話を終えると、机の料理を冷蔵庫に閉まう。

「仕事なら、しょうがないよな?」

丹精込めて作った料理は、明日のお楽しみになってしまった。

「プレゼントだけ、置いとこう・・・」

この日の為に買ったワイングラスを、リビングの机に置いてソファーに座る。

そして、時刻は遅い時間を知らせていた。

「・・・もうちょっとだけ、起きてようかな?」

御堂さんがすぐに帰って来てくれる事を願って、テレビを付けて待ってみた。

けれどクリスマスソングが流れるテレビに、いつしか眠りに誘われた。





「んっ・・・?」

肩に重みを感じて目を覚ますと、オレの肩に頭を乗せて御堂さんが寝ている。

そして、毛布をオレに掛けてくれていた。

「お帰りなさい・・・」

小さく声を掛けると、静かに御堂さんの頭に頬を擦り寄せる。

少しだけ漂う、フレグランスの香りに胸がドキドキする。

「本当は、起きて欲しいけど・・・」

肩にある頭をユックリと自分の膝に落として、御堂さんの体にも毛布を掛ける。

少しだけ身じろぎした後、御堂さんは静かに寝息を立て始める。

「お休みなさい。御堂さん・・・」

優しく髪を撫でて、キスを落とした。

今日は、安らかな眠りに付いて下さい。

そして明日は、オレが作った料理を食べて下さいね。

眠りに付くまで、貴方の寝顔を眺めてクリスマスを過ごした。
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