ショート劇場
□雪が降る街に君を捜す
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今日の御堂は、少しおかしい。
休みの日に、二度寝をした俺に何も言わず。
ただ一言だけ、俺に告げる。
「今日は、一人で出掛ける。夜には戻るから、家にいろよ?」
「・・・分かった」
怪訝に思いながらも了承すると、出掛ける支度を始める。
「何処に、行くんですか?」
「内緒だ」
顔は見えないが、微笑む気配がする。
「・・・」
ジャケットを羽織り、玄関へと向かう御堂。
「それじゃあ・・・」
「ああ。行ってらっしゃい」
「行く前に、一つだけ・・・」
壁に寄り掛かる俺の頬に手を置くと、御堂は軽く唇を触れさす。
「行ってくる」
「・・・」
カチャと玄関が閉まり、御堂の姿を消した。
「何があるんだ?」
疑問だけを残して、俺はカレンダーを見た。