長編劇場

□無花果
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イヴは神の声に涙した。

無花果に創られた偽物の愛でも、触れる温もりは本物だと。

それでも神はイヴに楽園に帰って欲しく、アダムに言い聞かせた。

イヴを本当に愛しているなら、楽園に帰す事が幸福になると。

それを聞いたアダムは、神に話し掛けた。

イヴが、私と居たいと嘆くのです。

けれど私は楽園追放の烙印を、神から授かりました。

だからイヴを楽園に帰すなら、私達は離れ離れになる。

神は無言で、アダムの言葉に耳を貸す。
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