長編劇場
□人生計画
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時に、調和が取れた絵画に、必要なモノは?と、誰かに尋ねてみた。
けれど、答えは、一つしかない。
この絵には、遊び心が足りない。
「楽しんでるか?」
「・・・寧ろ、緊張してます」
身体を縮こませて、ちびりちびりとワインを口に含む克哉。
それとは逆に、堂々と場に馴染む御堂。
克哉としては、本城の誕生日プレゼントに、ワインを買うだけだったが
『飲んだら、分かる』
どんな味かを尋ねただけで、御堂にワインバーへと連れて来られた。
「でも、これならオレも飲めます」
「私には、若いがな」
けれど、美味しそうに飲む御堂に、克哉はホッとした様子で前に習った。
「時に、佐伯君」
「はい。何でしょうか?」
少し緊張が解けた所に、あられもない疑問が投じられる。
「君は、同性愛を、どう思う?」
「・・・はい?」
そんな返しに、踊るような絵筆が絵を描き始めた。