ショート劇場
□sing a song
1ページ/4ページ
来るべき新年会と称した会社のカラオケ大会で、歌を一人一曲を歌おうと言う話しになり
御堂は悩んでいた。
「適当に歌えばいいだろ?」
自宅で寛ぎながら言うと、御堂は頭を振る。
「クラシックしか聞かないから、最近の歌は知らないんだ・・・」
コンポの横には、確かにクラシックのCDしか並んでいない。
「佐伯は何を歌うんだ?」
「ドラ〇もん」
御堂は驚いた顔をすると、真剣に聞き返す。
「・・・冗談だよな?」
「当たり前だ」
本気に思われたのかと内心で呆れながら、会社の鞄を漁り小さな機械を取り出す。
「仕方ない。御堂さんに貸してあげますよ」
「これは?」
「俺が普段使ってる、ミュージックプレーヤー。その中から適当に選曲しろ」
イヤホンを御堂の耳に掛けて再生を押すと、最初は洋楽が流れ始める。
「君は、こんな音楽を聞くのか・・・」
「他にもあるから、歌えそうなのを探すんだな」
軽くボタンの説明すると、御堂はソファーに座り音楽を聞いていく。
その姿を見てから、自室に戻った。