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□誰が悪い?
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久しぶりに居酒屋で、本多と酒を交わしていた。

「やっぱり、本多は凄いよ」

前後の会話から結論づけた言葉を、本多は笑いながら俺の肩を抱いた。

「凄いじゃなく、格好良いとかがいいな」

「もちろん格好良いよ。それに男前だし、決断力もあるし、仕事も出来る」

多少酔っ払いながらも指折り数えていくと、本多は頭を下げて口元を手で抑えていた。

「本多?」

「・・・気持ちワリィ」

「大丈夫かよ?」

「ちっと・・・、トイレに」

フラッと立ち上がりトイレに向かう、本多の後を追い掛ける。

「本多?」

個室のトイレが一つ閉まっていたので、ノックすると薄く扉が開いた。

「大丈夫か?」

個室の中に入ると、いきなり手を引っ張られる。

「うわっ!」

クルリと器用に半回転させられ、便座の上に腰掛ける。

「いって〜」

腰掛けた下には、何故か本多が座っていた。

「何するんだよ!」

顔だけ後ろを向くと酒で赤い顔が、悪戯っ子のように笑う。

「お前が悪いんだぜ?あんな所で褒められると、我慢出来ないだろ」

言い終わらない内にベルトを外され、ズボンと下着を下ろされる。

「ちょっと、止めろよ!」

「大きい声、出すなよ・・・。人が来る」

「アッ、・・・ウッ・・」

慌て口元を抑えるが本多の手が後ろから、乳首と下半身を可愛がっていく。

「んっ・・・、フッ・・」

漏れる声にビクビクしながらも、自身の下腹部が熱くなっていく。

(やっぱりオレ、変なのかな?)

こんな場所で愛されても、嫌じゃないなんて。

「克哉。お前は可愛いよ」

「ンッ!ふうっ」

耳元から聞こえる本多の声が、余計に身体を熱くさせる。

「克哉・・・。入れていいか?」

「・・や・・だ。こんな・・・、所じゃ・・・」

薄い涙目で振り向くと、眉尻が下がった本多がオレを抱えて立ち上がった。

「すまん。無理だ、我慢出来ない」

本多が片手で俺を支えると、器用に自身を取り出して穴を確認する。

「克哉。力を抜け」

「アッ、ンッ」

本多の指をたやすく受け入れると、声が漏れてしまう。

それを片手で抑え、扉に手をついた。

「入れるぜ?」

ズブッと異物が挿入され、声を出さぬように必死に唇を噛んだ。

「克哉・・・。動くぞ」

フルフルと首を振って嫌だと示したが、本多は気にせずに腰を振り始めた。

「ア、ンッ・・・」

「うっ・・・。お前の中、熱いな」

「・・・バッ、・・カ」

精一杯の悪態も快楽の渦に埋もれ、本多を熱くさせる。

「もうっ・・・、ああっ、ムリ!」

「うあっ!」

オレと一緒にドロッとした精液を流し、本多は中から出て来た。

「はぁ、はぁ・・・」

「・・・どうするんだよ、これぇ」

そして地面に散らばるオレ達の情事の後に、今度は泣きそうな声が漏れた。


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