1ページ劇場

□誰が悪い?
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暗闇で目を覚ますと、静かな寝息が隣から聞こえてくる。

「クッ〜。・・・うんっ?スッ〜」

半開きの唇に軽く口づけしてから、煙草を取り出した。

昨日はさすがに、無茶をさせたようだ。

眉間にシワを寄せながら裸で眠る、克哉の額を少しなでると穏やかな顔に変わる。

煙草に火を付けると、月明かりに照らされながら煙りが揺らめく。

「うんっ・・・、佐伯?」

「なんだ?」

煙りを吐き出して克哉を見ると、瞼を閉じたまま唇を動かしていた。

「寝言か」

クッと喉の奥で笑うと、克哉は続きを呟いた。

「それは・・・、本多の・・・プリン・・だよ・・・」

「・・・」

克哉から唇から零れた、違う男の名前。

「躾が足らなかったか」

キュッと灰皿に煙草を押し付けると、克哉の口に舌を割り入れた。

グチュと俺の唾液が、克哉の口の中で音を鳴らす。

「うんっ?・・・ウッ!?・・・はぁ・・あっ!?」

急に息苦しくなった克哉が、ようやく目覚め俺の胸を叩いた。

「起きたか?」

「何するんだ!?人が気持ち良く寝てたのに!」

案の定怒る克哉を無視して、胸から鎖骨に舌を這わせる。

「やめろよ!昨日あんなにしただろ?」

「お前が悪い」

「何がだよ!?」

「ベッドの中で、他の男の名前を呼んだ」

カリッと克哉の乳首を噛むと、押し殺した声で喘いだ。

「や・・めろ・・・」

「誘ってるのは、お前だ」

快感を我慢した涙目の顔に、下半身が熱くなっていく。

「舐めろ」

「ふぇ?」

「それとも無理矢理、口に入れてやろうか?」

克哉は一瞬だけ悩むと片手を添えて、アイスを舐めるように舌を這わした。

「足りないな」

「うわっ!」

克哉の髪を掴むと自身のモノを、強引に口に押し入れた。

「んっ、・・・チュ・・はふっ」

俺のを舐める克哉のモノを、手で愛しながら窓の向こうの空を見上げた。

まだ夜は終わらない。

「ウンッ、ァツ・・・」

「朝まで、お前を抱いてやる」

夜が始まったばかりに、克哉の明日の休日が一日ベッドで消えた。


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