オペラ劇場
□MONSTER
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オレが見詰める先には、形容しがたい顔で嫌いと言う言葉に嘆く俺がいる。
「結婚した相手に嫌い嫌いと言われて、嬉しいと思うか?」
「それは・・・」
「挙句に、抱きたいと思った時に、拒否されてみろ。哀しくなるだろ」
俺の言い分も、確かに分かる。
いつもイヤだとかキライとか、拒絶の言葉しか言ってこなかった。
それを伝えられ、罰が悪くなって眉尻を下げ素直に謝る。
「ゴメン。オレ、そんな積もりなくて・・・。ただ、お前が、ヤりたいだけだと思ったから・・・」
「・・・」
「その・・・。お前とするの、オレは嫌じゃないよ?それと・・・」
恥ずかしさを心臓が煩い位に、オレに伝える。
俺が待ち望む顔が瞳に写り、覚悟を決めて
微かに震える唇で、声に出してみる。
「えっと・・・、愛してる」
(やばい。これは恥ずかしさで、悶え死ねる)
真っ赤な顔で言い終えると、俺はククッと喉を鳴らす。
「本当にお前は可愛いな?それなら、今から俺が抱いても支障は無いだろ?」
「う、うん・・・」
辛うじて頷くと、俺から視線を逸らした。
それで顕わになった耳に俺が唇を寄せ、湿った音が直接響く。
「っ・・・。なぁ、俺。でも早くしないと、会社に遅れるよ?」
「何だ?もう挿れていいのか?」
「だって、中途半端にされた方が・・・。その・・・、嫌だから・・・」
そして楽しそうな声音で、オレに語り掛ける。
「お前は、本当に可愛くて、淫乱で、俺を飽きさせなく、楽しませ・・・。そして誰よりも、愛しくさせる存在だ」
「あぁっっ!!」
割り裂かれた身体を、熱いモノが中を満たしていく。
オレが悪い所を言えば
俺がいい所を言ってくれる。
合わせる事で丁度いい夫婦関係になるのを、これからも続けて行くのだろう。
だけど・・・。
「まぁ、嫌いと言われながら、犯すのも楽しんだがな」
「・・・・・・。変態!!」
いつもアイツが全部、台無しにするんだ。
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