オペラ劇場
□GO ACTION
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この関係には、いつか終わりがある。
それは俺が夢を追い続ける限り
互いの歩む道の幅が広がり、物理的に触れ合う事が出来なくなれば
あいつは俺との関係に、終止符を打つだろうから。
エアメールの封をすると、パタパタと手紙で顔を扇いだ。
「ホントに、暑いな・・・」
夏真っ盛りの部屋の温度は、エアコンを付けても暑い。
スポーツ選手は体を冷やし過ぎてもダメだと聞いたが、こう暑くては強風にしたい。
『暑苦しい奴だな。離れろ、俺は涼しみたいんだ』
知らない内に脳内で再生された声に、苦笑が漏れる。
あいつは何時だって自分優先で、俺なんか構う暇がないと鼻で笑う。
「はぁ・・・。・・・あと何回、溜息を吐いたら、気が済むんだ?」
克哉の勤務先が日本に戻り、離れ離れの日々を過ごす事になった。
時折メールや電話はするが、もれなく悪態やバカにする言葉が聞ける。
それに言い返してしまうので、久しぶりに筆を取ってみた。
それが手元にあるエアメールなのだが
「・・・止めだ、止めだ!!」
徐にエアメールを破り捨て、チームの監督に電話を掛けた。