オペラ劇場
□僕の花
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だから新しい接点である、同僚の位置を手にした時
死ぬ程、喜んだ。
そして親友である事を理由に、事あるごとに克哉と一緒に行動を共にする。
「克哉ー!飯に行こうぜ?」
「う、うん・・・」
それを克哉は戸惑いながらも、親友として俺を受け入れてくれる。
けれど、どんなに俺が傍に居ても、克哉は心を開かない。
だが、それが寂しいと言えない関係だろう。
親友だからと言って、踏み込めない問題。
問題を俺にも分けて欲しい。そして一緒に考えたい。だって俺は、お前が・・・。
そんな事を、いつも考えている。
小さく頭を振るうと、丸くなっていた克哉の背を叩く。
「美味いメシ屋が近くに出来たんだ。今日はソッチで食べようぜ?」
「分かった。いいよ」
お前の問題を一緒に考えれないのなら、せめて応援はさせてくれ。
お前が頑張っているのは知っているから、上手くいかなくて哀しい顔をするな。
いつか、お前の成果が実る時が来るから。
その時は一緒にお祝いしよう。
「何?オレの顔になにか付いてる?」
「いや。お前の隣に居れて、幸せだなってさ」
「いきなり恥ずかしい事、言うなよ・・・」
真っ赤な顔で俯く克哉に、それは悪かったなと笑う。
だから満面の笑みで、嬉しそうにしてくれ。
そして俺が隣に居てくれて良かったと、お前に思われる存在になりたい。
だって俺は、お前が好きだから。
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