オペラ劇場

□真実の詩
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「・・・」

「秋紀。食べれないなら、残していいぞ」

箸が進まない僕に、克哉さんはお酒を飲みながら言う。

「無理しなくていいの?」

「ああ。お前が食べたい時に、食べればいい」

僕の言葉に応えた克哉さんは、それとと続ける。

「無理はするな。そんな事で、頑張らなくていい」

どうして、母親から貰えない言葉を

克哉さんは、僕にくれるの?

思わず口元を緩めてしまい、克哉さんは僕に呆れた顔をする。

「ありがとう、克哉さん。大好き!」

それは克哉さんが、僕を愛してくれる人だからだよね。

「これ位で喜ぶな」

克哉さんの言葉は、僕には絶対的な言葉。

「喜ぶよ。だって克哉さんが、大好きだもん」

「はい、はい。それなら、好きなだけ喜んでいろ」

「うん!」

投げやりな言葉さえ愛しく感じてしまう。

だから僕は、克哉さんを本気で愛している。

この気持ちだけは大人になり

頑張らなくていい子供の僕は

ベッタリ克哉さんに甘えよう。

だから、今だけは甘甘に優しくしてね。

けれど、大人になっても、僕を時々は甘やかして?

だって克哉さんの傍にいる僕は、何よりも誰よりも幸せな顔を克哉さんに贈りたいから。


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