オペラ劇場

□rumble fish
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薄暗闇の中を玄関が閉まる音と同時に、ソファーから起き上がる。

テーブルには小さなメモが残されていた。

『夕飯うまかった。サンキューと、ふざけ過ぎてすまない。明日また電話する』

癖のある文字に、自然と顔が歪む。

謝るのは俺の方なのに、アイツはいつも先に謝る。

「・・・バカが」

どちらが、バカなんだ?

素直に気持ちを吐き出す本多。

悪態ばかりで、素直な言葉も

愛の言葉さえも、満足に言えない俺。

自分の事ばかり優先する俺を、本当に本多はずっと好いてくれるだろうか?

「クソッ」

携帯だけ持ち、ベランダを開ける。

今なら、まだマンションのベランダから、アイツの姿が見える筈。
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