オペラ劇場

□RESISTANCE
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《鬼畜眼鏡 捏造End 鬱注意》


眠りに就く彼に重ねた唇はカサカサで、先程までの熱さもなく

それが哀しくて寂しくて、自分の腕で溢れる涙を隠した。

身体を重ねれば、愛される事が分かるなんて嘘で

重ねれば重ねる程にオレは、彼に憎まれていると思った。

出来るなら、最初の出会いからやり直したい。

そうすれば憎まれる事もなければ、歪な関係を築く事も無かった。

無い物ねだりだと言われてもいい。

オレは、彼と・・・。

もう少しだけ温かくて、優しい関係を築きたかった。





「・・・」

「・・・」

彼のマンションで、オレがワイシャツを脱ぐのを、窓辺の椅子に座った彼が静かに眺めていた。

紫の双眸は逸らされる気配もなく、視線に犯されている気分になる。

いつまで続くのだろう。

最初に出された契約は、ここに来て意味をなくしていた。

けれど、彼はまだ契約は続いていると告げる。

それに黙したまま、オレも歪な関係を続けている。

最後の纏った布を脱ぎ捨てると、床を見詰めて下唇を噛んだ。

羞恥心が身を焦がし、痛い視線が身体を刺していく。

(もう、嫌だ・・・)

感情とは裏腹に、軽くそそり立つモノを見たくなく瞳を閉じた。

「ベットに座れ」

「・・・はい」

掠れる声で頷いて、ベットの端に座る。

猫背が余計丸まり、腕で自身のモノを隠す様に太股に手を置く。

「君は馬鹿か?コチラを向いて座れ」

彼に対して横に座っていたのを怒られ、渇いた唇を軽く舐めて彼の前に向き直る。

すると視線の先に顕わになったモノに、侮蔑の笑みを送られた。

「惨めだな?佐伯 克哉」

どうして?

どうしてオレは、まだ蔑まれないといけないんだ?

涙を流すのは簡単な筈なのに、彼の前で泣きたくない。

「反論もないなら、自慰行為をして貰って構わないだろうか?」

「そんなっ!」

思わず叫ぶと、待ち構えたかの様に口元を歪ます。

「もしかして、嫌なのか?」

「・・・。・・・いいえ。・・・させて、・・・下さい」

どうしてですか?

貴方は、そんなにオレが憎いですか?
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