オペラ劇場
□誰かの願いが叶うころ
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僕の願いは一つだけ。
いつまでも、克哉さんの傍に居たい事。
その願いを叶えてくれるのは、克哉さんだけ。
新聞を広げて4コマ漫画を始めにチェック。
経済欄は飛ばして、ドラマのあらすじもチェック。
「読み終わったか?」
「うん。終わったよ」
欠伸をしながら尋ねる克哉さんに、新聞を畳んで手渡す。
そして克哉さんは経済欄から見始める。
「ねぇ、克哉さん。次のお休みはいつ?」
ソファーに座る克哉さんの腕に絡んで聞くと、ページをめくり株価をチェックしている。
「何時になるかは分からない。でも何で、そんな事を聞くんだ?」
「今度のお休みに一緒に出掛けて、服を見立てて欲しいんだ」
卒業式の後にあるパーティーに着て行く服を、克哉さんに見立てて欲しくてお願いすると
一瞬だけ僕に目線を送り、また新聞に視線を戻す。
「ダメ?」
「・・・行くとしたら日曜だな」
「ヤッター!大好き克哉さん!」
嬉しくて克哉さんの胸に抱き着くと、新聞がグチャグチャになった。