ショート劇場
□御堂さんが暇な時は?
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「あぁぁっ!!」
御堂さんの腰が動き、絶え間無い熱に侵されていく。
無我夢中で背中に縋り付き、熱量に堪えると御堂さんが何かを呟く。
「ああ!・・・っ!?」
「街に降った・・・、雪が消える頃には・・・」
「んんっ!」
御堂さんが呟くのは、最後のページの一節。
「君は此処にいない・・・っ」
「ああっ!孝典さんっ!」
「けれど君への愛が、胸に残っている・・・」
指先で優しく涙を拭ってくれ、頬に手が添えられる。
その手に手を重ねると、最後の一節を教えてくれた。
「君を・・・、愛しているよ」
「孝典さん・・・」
「だから・・・、こんなにも満たされる・・・」
春が訪れた街に、君の姿が無いとしても
君の姿が胸に残り、優しい記憶が寄り添い続けている。
「オレも・・・、愛してる・・・」
だから、ずっと君と一緒に居られるのだ。