ショート劇場

□クリスマスは静かに過ごしたい!?(ノーマル編)
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本多憲二さんの場合。

クリスマスなのに彼氏彼女がいない人は、集まってパーティーをしよう!

そんな企画が、キクチの8課で起きてしまった。

「彼女がいるって、言えば良かっただろ!?」

『仕方ねぇだろ?彼女を見せろとか言われて、お前を見せる訳にいかないんだから』

「はぁ・・・。もういいよ。さっさと終わらせて、早く帰って来いよ?」

『おぅ!』

電話を切ると、呆れた溜め息しか出て来ない。

「仕方ない。一人で食べるか」

簡単に作ったオードブルを目の前に、寂しくご飯をよそった。

「これ、美味しいな・・・」

そして自分で作った料理を、自分で褒めて平らげる。

(本多に、残してたまるか!)

半ば意地も入りオカズを口に詰め込むと、箸から肉団子がこぼれ落ちた。

「ヤバい」

軽く転がり、ベッドの下に肉団子が入り込む。

それをティッシュで取り出す時に、変なモノを発見した。

「・・・・・・・」



「ただいま、本多憲二が帰宅しました!」

「お帰り」

極上の笑顔で出迎えてやると、本多は上機嫌でお土産をくれる。

「ビンゴで当てたんだ。克哉、着てみろよ?」

貰った袋を開けると、女の子用のサンタのコスプレ衣装が入っていた。

「これをオレが着るんだ?」

「絶対、似合うぜ〜?」

そんな、酔っ払いの本多に一言。

「お前、ミニスカ好きだもんな?」

「ああ、大好きだな!」

本多は大声で言った後に、小首を傾げた。

「どういう意味だ?」

「これが出て来た」

ベッドの下にあった、Hな本には

《ミニスカ特集。チラッと見えるのが、ミソだよね〜!》

「いや、これはお前と付き合う前で・・・」

「・・・本多。お前とは長年の付き合いだけど、今日ほどお前が嫌いな日はないよ」

「ちょっと待てよ。克哉!」

「だけど、お前がこれを着るなら、許してやるよ」

「マジかよ・・・」

景品のサンタの衣装を本多に渡すと、渋々着替えはじめる。

「これで、いいか?」

そして着替えた服はピチピチで、お腹や下着がはみ出ていた。

「お前さ・・・。普通に、気持ち悪い」

「おまっ!自分から振っといて、それかよ!」

「怒る気も失せたから、オレは一人で寝るね」

「かつやぁぁぁ!」

欠伸をして寝室に向かうと、後ろから本多が何かを叫んでいる。

でもそれは、オレの知った事ではない!
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