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□☆おしおきは甘くない 1.
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「あっ、あっ、あっ、ああっ…ふっ、あっ…!」

なんでも器用にこなすこいつのことだから、きっと、こういうことも巧いんだろう、…と思う。

「あっ、ふっ、ん〜…っ…!…」

だってそうでなければ、自分がこんなことに夢中になるだなんて、考えられない。

「…んっ!…ん〜…はぁっ、やっ、たく、み、んん〜…」

こんな恥ずかしい格好で、押さえきれずいやらしい声を上げている自分が、信じられない。

「…ふぁっ、んっ、やっ、やだっ…あっ、あぁっ、もうやっ…」

身体の奥がたまらなく熱く疼いて、何かが溢れていくのが自分でもわかる。

それが…気持ちいい…なんて、もうそろそろ繋がりたい…なんて、考えてる自分が…信じられない。

「はぁっ、あっ…、拓海、んんっ、もう…」

だめ…これ以上されたら…。



「だ〜め。あげないよ。言ったでしょ?“おしおき”」

…!?

あっ…そうだった、完っ全に忘れてた…。

「やっ、いやだぁっ、んっ、拓海、やっ、“おしおき”、は、やだっ!」

だって、最近の拓海の“おしおき”は…いやだ!あんなの、耐えられない!

「だ〜め。許さない」

そう言いながら、まるで嫌がらせのように、片足を持ち上げられ、大きく開かされる。やだっ…こんな…!

「…ちょっ、やだっ、拓海、離せ…」

「美咲って身体柔らかいし脚きれいだし、エッロ〜いv」

…ダメだ。嫌がったら余計に喜ばせるだけ。

「…んっ、んんっ、はっ、だ…って、意味が、わからない、ふぅ、んっ…、な、んで“おしおき”なんだ、よっ、…あっ!」

怒ったのはわかるけど、それって…私の所為か?

「美咲が無防備なのが悪いの!」

「…なに…が…あっ、あんっ!」

“無防備”ってたびたび言われるけど、よくわからない。

なんにしろ変態宇宙人の理屈なんてよくわからないことが多いけど…。

「あっ、ああっ、やっ…拓海、やっ、もうだめ…」

やっぱり、さくらとしず子にくらいはこいつのことを話しておくべきだったな…。今、わかることはそのくらい。

「たく、み、やだって…」

中心に埋められている色素の薄い髪を押しのけようとしてみるが、うまく力が入らない。

…意外と柔らかくて、触り心地のいい髪。や、そんなの感じてる場合じゃなくて。もう限界。このままじゃ…!

「拓海、いやっ、やだっ、もうっ、あっ!ダメっ!あああああっっっ…!」

敏感な芽を強く吸い上げられて、激しい快感と熱が身体を駆け抜ける。身体が勝手に反り返り、腰から下が痺れたようで…もう…。

「…はあっ…、あっ…ふっ、ふうっ…」

ああ、イっちゃっ、た…。もちろんこれだって気持ちいいんだけど、でも…。



「気持ちよかった?」

…嘘くさい笑顔。ムカつく。

「あれ?どうしたの?…不満?」

…そういうところ、ほんっっっと、憎たらしい!

「わかってるくせに!白々しいやつだな!お前は!」

「酷いなー美咲ちゃんてば。…それが一生懸命尽くしてる彼氏に言う言葉?」

ニヤニヤしやがって!本気でムカつく!…でも、身体は付いてきてくれない。

「…だって、やだって言ってるのに…!」

「そうだよね。美咲は“一緒”にイかないと満足できないんだよねー。やーらしいっv」

まったく、なんでも器用にこなすこいつにとっては、とっくの昔に私の身体は思い通りで、かなうわけなんて、ない。

「だって、それは…、誰の所為だよ!」

「俺の所為?」

「…他に誰がいるっていうんだ」

「…ふふんっ」

口元は意地悪く歪んでいるけど、うれしそうな顔。

…わかってるんだ。こういう言葉が聞きたいんだってことは、いくらにぶい私だって。でも、意地っ張りな私にはわかっていても、難しい。



「じゃ、もう一回v」

「や、やめろ、よせ!まだ、あの、イったばっかり…あっ!」

「だから“おしおき”なんでしょ?」

「いやだ…あっ、はぁっ!やめ…」

…男と違って女は続けて何回でもイけるように出来ているらしい。

大きなお世話だ!

ちゃんと男女平等にしないからいろいろと問題が起きるんだろ!?まったく…。

「んん〜、やっ、もうだめ!拓海、欲しい…」

今欲しいのはそんな刺激じゃない。

身体の奥深くが熱くて、切なくて、…満たされたくてどうしようもない。だから…。

「なにが?」

「なっ!なっ、なにがって…」

なんて、言うんだ…?

「くっ、くっ、くっ、面白い顔」

「なっ、か、からかうな!」

「だって、“おしおき”だもん」

「…拓海のアホ」

「ふーん、そういうこと言うんだ」

「ふっ、んんんっ、はぁっ、や…」

…指が入ってくる感触。

いつもは私が感じるところを的確に突いてくる器用な指は、“おしおき”の時にはわざと違うところばかりを弱く刺激して私を焦らす。

「やぁっ、いやだ、あっ、あっ、あっ…やぁっ…」

「…欲しかったんでしょ?」

「やっ、違う…」

「“欲しい”って言ったよ?違うの?」

「…はぁっ、やっ、ちが…、っ…はっ、指、じゃ…」

いやだ。足りない。もっと奥、が…っ!

「ふっ、あっ!」

「…こ〜んなに気持ち良さそうなのに?」

拓海は指を引き抜いて私の前にちらつかせる。それは、たっぷりと濡れて、光って…。そんなふうにしなくたって、どうなっているのかくらい、自分でもわかってる…。

「…はぁっ…はぁっ…」

荒い息をする私を見ながら、拓海は、汚れた指をゆっくりと舐め上げる。

そんな動作もきれいで、なんだろう、いやらしいのに、目が離せない。

…そして、きれいな指を舐める長い舌。…それは、ついさっきまで私の敏感なところを同じように…。

そう考えて、また、感じてしまう。

ああ、奥が熱い。自分が濡れていくのがわかる。

…やだっ、は、恥ずかし…でも…。

「この、へ、変態…」

恥ずかしさから、余計な言葉が飛び出してしまう。

勝てるはずない。ましてや、余計にいじめられるだけなのに…。ほら、拓海はうれしそうにクスクス笑い始めた…。

「いじめられてこ〜んなに感じてる美咲は変態じゃないわけ?」

「そ、それは…た、単なる、生理現象だ!」

「ふ〜ん、じゃ、ここも?」

左胸の先端に吸い付かれ、そこも舌先で弄られる。

こいつの舌はいったいどうなってるんだ?なんでこんなに…、やっ…!

「あっ、ああっ!…んっ、あっ、あっ!…」

「…すっごく硬くなってるよ?…これも生理現象?」

「…そう、だ…たぶん…」

「意地っ張り。…ね、ほんとは右の方がいいんだよね?…こっちの方が感じるんでしょ?」

「…ふっ、んっ、あっ!あああああっ!あっ!やっ!うんっ…はぁっ…」

「ふふっ、…いい声…」

拓海の手が頬に伸びてきて、優しく触れる。

「…すっごく、…いやらしい顔…かわいい…」

「バカ」

…こんな時に自分がどんな顔してるかなんて…そんなの、考えたくもない。

「…かわいいってば。すっごく…そそる」



きれいな顔が近づいてくる。

拓海の器用な舌は、今度は私の口内を侵し、全身を痺れさせる。

…不思議でしょうがない。

なんで、こんなことで全身が感じるんだ?身体の奥深くまで痺れたように感じるんだ?

濡れた入口は痛いくらいに痺れ始め…刺激を求めてひくつき始める。

触れているのは唇と舌。拓海に教えてもらった“恋人のキス”。

初めての時と行為自体はさほど変わらないのに、なんで私の身体はこんなに反応するんだろう。

唇から身体中が熱く溶かされていく…。

ぼんやりと白濁していく意識と疼く身体、それでもまだ恥ずかしいと感じる心。

それらが絡み合いせめぎあって、また、新たな快感を生んでいく。



…“おしおき”はまだ始まったばかり…。





2010/01/30.

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