Ice Empress


□愛しのみそ様
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「みそ様て、まるでどこぞの韓流スターやな。」


学食での一件で逃げるようにして教室に戻った二人。机が前後の二人はしょっちゅうおしゃべりをしている。

「あだ名を付けるのは構わねぇけど、あれはねーんじゃねぇ?」

「ええやん、なかなか的を得たニックネームやんか。」

椅子を跨いで後ろ向きで座りをがたがたさせながらふてくされる。

あの後、騒ぎになってしまいあっという間に校内に知れ渡った。

あまりの騒ぎに宍戸とジローが教室に様子を見に来たくらいだ。

いや、様子を見に来たというより、からかいに来たと言った方が正しい。

ニヤニヤしながら広まったあだ名を連呼して満足気に帰っていった。


「今までなかった方がおかしかったんや、これで人気者の仲間入りやな。」


雑誌を見ながらサラっと流す忍足。

中等部から編入して来た忍足は、入学してすぐに跡部との一悶着で跡部と並ぶほど有名になっていた。

関西人っていうのも珍しさを誘ってあっという間に王子様(?)扱い。


「一年の時から有名人の侑士には分かんねぇよ!」

「なりたくてなった訳やない、周りが勝手に騒いでるだけやろ。」


予鈴がなり、教室がざわめきだし、机に教科書を出すなど物音が激しくなる。


「岳人もはよ用意せぇ、せんせが来るで?」

「くそくそ侑士、人事だと思ってっ!」

「その口癖があだ名にならんでよかったな。」



《く〇様》


「…………無理。」

「やろ?ええやんか、みそ様で。」


雑誌を閉じると本鈴がなり、退屈な授業が始まった。
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