Deep Sea
□ジャッカル桑原 HAPPY BIRTHDAY
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「そういえば、ジャッカルの誕生日って昨日?」
ダブルスの相方である、丸井がガムを膨らませながら呟く。
「……すっかり忘れていたね、中学選抜が忙しくて。」
部長の幸村、氷の微笑でサラっと流す、さすが大魔……いや、神の子。
「うむ、誕生日など祝っている暇などない。」
いや、真田副部長、そんな鬼畜な事言わないでもいいじゃないですか。
「で、当のジャッカルはどこにおるんじゃ?」
「今日は家の用事で帰られましたよ。」
入れ代わりの打ち合わせをしていた仁王と柳生が話しに加わった。
「それを早く言えよ柳生!」
「聞かれなかったから言わなかっただけです。」
「喧嘩をしている暇はないんじゃないか?俺もうっかりしていた。」
データノートを閉じて、顔を上げたのは立海の黒参謀、柳である。
「とにかく、何もしてやらないというのも心苦しい、幸村。」
「そうだね、なにか考えようか。」
肩のジャージをはためかせ、立ち上がりメンバーを見渡す。
「ケーキでも買って家に押しかける!」《丸井》
「定番過ぎますよ、丸井くん、ここは手作りでしょう。」《柳生》
「誰が作るんや、、いっそ、焼肉で食い放題とか。」《仁王》
「そのお金はどこから出すんだ?部費から出す訳にはいかない。」《柳》
「…竹刀とかはどうだろう。」《真田》
「ジャッカルに竹刀をあげてどうするの、真田。」《幸村》
……こんなんで決まるわけがない、しかも本人は家にいるのだから、呼び出す必要もあるのだ。
「これじゃ埒が開かない、俺に任せてもらえるかな?」
大魔……いえいえ神の子幸村部長の独裁政……いや、鶴の一声で部員が頷く。
ジャッカルの運命はいかに。