Blue Blossom


□菊丸英二 HAPPY BIRTHDAY NEW!
1ページ/6ページ


全国大会を優勝し、見事に優勝旗を青学に持ち帰った俺達は、一挙に時の人になった。学校ではすっかり有名人になり、地元誌やら、スポーツ雑誌の取材が後を絶たない。


「お〜いし〜〜!!これから雑誌の取材だって!!」

「こりゃ大変、今すぐ準備するから待っててくれよ。」

「早く早く!!あっそうそう!!おチビも来てるんだよん!!」

「越前が?アメリカから帰ってきてるのか?」

「にゃんか手塚に呼び出されたらしーんだよね。」

「…手塚が?」

「ドイツに行く前に最後の試合でもすんのかにゃ?」


机の上に座って身体を揺らす菊丸を見て大石が苦笑する。


「英二、机は座るもんじゃないぞ?」

「大石は頭固い!!そんな事より早くぅ!!」


机をがたがた揺らし、駄々をこねる菊丸の頭を軽く小突くとバックを担いで手を差し出した。


「分かった分かった、…よし、行こう英二!!」

「ほいほいっとね!!」


何を疑う事も無く大石の手を取る菊丸。

実を言うと、他の人間には内緒だが俺達は付き合っている。

菊丸の可愛らしくやんちゃな性格のお陰でこんな風に手を繋いでいても何か言われる事もない。


「なぁ、英二、帰りに寄りたい所があるんだけど、付き合ってくれるか?」

「良いけど、にゃに?ガットでも買いに行くの?」

「いや、テニス用品じゃないんだけど…。」

「ん〜?まぁ、べつににゃんでも良いけど、アイス奢って?おーいしー。」

「しょうがないな、一個だけだぞ?」


菊丸はたったそれだけで大石に抱き付き、上目がちに大好きと言う。

大石はあまりの可愛さに抱きしめ返したいという衝動を抑え、頭を撫でると菊丸はまるで仔猫のような声を出した。

「…んにゃ〜、俺、大石の手、だーいすき!」


帰りまでこの欲望が抑えられるか、心底心配になってきた大石であった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ