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□26cm WILSON シンデレラ
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普段はみすぼらしい格好で、継母とその娘二人にイジメられてたシンデレラは、舞踏会の夜に魔法使いに手伝って貰ってオシャレして王子様に見染められる。
あの話って結局何が言いてぇんだ?玉の輿に乗るには顔が大事ってことか?
心が綺麗なヤツが全員綺麗な顔してるって訳じゃねぇだろうし?もしも意地悪な姉の方が美人だったら、王子はそっちに踊りを申し込んでたんじゃねぇ?
シンデレラがその場で誰よりも美しく見えたんなら、それは魔法のおかげであって十二時に解けちまうのが困るのは、ボロボロの服よりも自分の素顔を見られたくなかったから、だったりして。
王子がシンデレラを見つけ出したキッカケってのがガラスの靴だってぇのも何だかなあ…国内に足のサイズが同じヤツなんてゴロゴロいんだろぃ。
それとも何か?シンデレラの足のサイズは特殊だったのか?よっぽどデカけぇか、よっぽどちっせぇかのどっちかだったのか?
「非現実的だよな」
「A?俺は結構Eと思ったけど?」
「どこがだよ?」
「靴から始まる恋があるかもってこと」
「はあ?」
「問題です!俺の靴のサイズは何センチでしょーか?」
「26だろぃ」
俺と同じ。
「せいかーい!よく知ってたね、これはもう愛だね!!」
「こないだお前が騒いでただろうが」
俺の靴のサイズを確認するなり、スゲースゲー!俺とブンちゃんの足のサイズ同じだ、嬉C!って。
「テニス行くか」
「マジ!?やったー!」
玄関に並んでる俺とジローのテニスシューズ。型は違うけど、メーカーはどっちもWILSONだ。ちなみにラケットも。
「俺ねー、ラケットもシューズも丸井君と同じメーカーにしたんだ!」
まだ、恋人じゃなくてファンと憧れの選手って間柄の時に言ってたのを思い出す。
フンフン鼻歌を歌いながら靴を履いてるジローを横目に
「ジローサイズ」
「へ?」
26、ジロー、なんちゃって。
俺もあの王子のこと馬鹿に出来ねぇかも。
これからテニスと言う名のダンスを踊りに行くんだからな。


E.

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