過去拍手文

□所有物
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「しりとりの、り」
「林檎」
「胡麻」
「鞠」
「リス」
「寿司」
「宍戸」
「ブー。人名はアウトだろぃ」
「ブンちゃんだってさっき幸村って言ったじゃん!」
「そーだっけ?」
だったらそん時に注意しろぃ、とブン太は悪びれもせず笑う。
自分の名前の下の正の字に一本足して
「五対三で俺の勝ちだな」
「ブンちゃんのオーボー」
ブツブツ文句を言いながらも、慈郎はすっと目を閉じる。
ブン太は持っていたマジックで、慈郎の頬に罰ゲームを施す。
「くすぐったい!!」
「我慢しろぃ…出来た」
「ブンちゃん!!」
鏡を見て慈郎は驚愕した。自分の頬にかかれたイタズラは

丸井ブン太

やや走り書きで縦に並んでいる。
「自分のモノにはしっかり名前書いとかないとな」
「俺、モノじゃないC」
「あれ?じゃあ、誰のモノ?まさか宍戸?」
ギラリと笑う目と目が合えば、他の返事は思い浮かばなくて。
「……ブンちゃん、です」
よろしい、と頷いてブン太は慈郎の右肩に口付ける。
「もっと印付けとかないと」
「ぶ、ちゃ…」
帰らないと、とは思うものの身体は甘く痺れて服を脱がされてもほとんど抵抗出来なかった。
「何ならお前も書いとく?」
ずっと慈郎の身体に唇を這わせていたブン太が顔を上げ、目の前にマジックを差し出して来た。
恍惚とした表情でそれを受け取り、上手く力の入らない手でブン太の左頬に書き込む。

あくたがわじろう

デカくて崩れた字がチグハグなバランスで留まった。
満足そうに笑うブン太を見て、慈郎は吹き出す。途端にブン太はしかめっ面。
「何だよ?」
「こんなことしなくても、俺はブンちゃんが一番なのに」
「別にヤキモチとかじゃねーよ」
「宍戸にはちゃんと鳳がいるC」
「あんまりその名前を出すな」
「何で?」
「クラスメートじゃん」
「じゃあブンちゃんは仁王と浮気すんの?」
「…冗談でもやめてくれ」
「でしょー?俺もだって」
それでも慈郎はブン太の頭を引き寄せる。
ブン太は深く深く慈郎の唇に口付けた。


E.


嫉妬するブン太を書きたかった(^^)

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