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□アイスクリーム症候群
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「あーあっついぜー」
「今、地球はいじょーきしょーらCよ」
「なーアイス食いに行かね?」
「あ、さんせー」
まだ梅雨にも入ってないのに、二十度を超える暑さ。
せっかくブンちゃんといるのに、ダラけてしまって力が上手く入んない。
この状態で夏になったら、気温はどーなっちゃうんだろ。
大会があるから、あんま暑すぎんのはヤダなー・・・。
なんてボンヤリしながら、ブンちゃんの方を見上げたら、後ろ髪の襟足から首筋に一しずく汗が伝ってドキッとした。
暑さで俺の脳ミソまで溶けちゃったんかな。今日はそんなつもりで会ってんじゃないのに。


冷たい物を売ってるからか、アイスクリーム屋さんの中は涼しかった。
ちょっと肌寒く感じるくらい。もしかしたら他のお店より冷房の温度低いのかも。
入った瞬間から喜々としてアイスを選んでる。
当然一個じゃ足りないからトリプル。それも大きいサイズの方。もちろんコーンで。
よくそんなに食べれるよなー。俺がトリプル頼んだら、ぜってー食べ切る前に溶けるもん。
あれこれ試食してるブンちゃんを見てると、俺もいっぱいアイスを食べたくなって来て、ちっちゃい方のダブルを頼むことにした。
たまにはEよね!


アイスを買って、店内じゃなくて公園で食べることにした。
お店の中が涼しかったせいか、外の気温はさっきよりも暑く感じた。
木の陰にあるベンチに腰掛けて、ダラダラアイス食べながら、もうすぐ夏だねー、とか、中間テストどーだった?なんて話をして。
「ジロー、お前何のアイス買ったの?」
「んとねー、今月オススメのアイスとー」
「それ、俺も気になってたんだ。一口くれぃ」
「あぁ!」
「ん。んまい!」
俺が頷く前に勝手にスプーン突っ込んで食べる。
ブンちゃんにアイスあげるのが嫌なわけがないけど、ちょっと悔C。
だからわざと怒ってるフリをしてみたり。
「もーブンちゃんの一口はデカ過ぎ!!」
「悪ィ、悪ィ。ほれ、俺のも一口やるから」
いかにもしょーがないって顔して、ブンちゃんの差し出したコーンにスプーンを伸ばす。
「あ、シャーベットって後味爽やかでEね」
「だろぃ?普通のアイスよりちょっと冷てぇのも良いんだよな」
「俺も今度試してみよー」
ブンちゃんといると、こういう新しい発見があって楽C。
特に食べ物に関しては、ブンちゃんのおかげで好きなモンが増えた気がする。
そーいう時間が俺は好き…うーん、愛しい?そうだ、たまらなく愛Cんだ。
「どーしたの?」
「やー、お前美味そうに食うなーと思って」
「そーかなー?ブンちゃんだって」
溶けたアイスを零さないように器用にスプーン使ってたり、アイスを舐めてる舌先がみょーに色っぽかったり・・・。
あーもー俺何考えてんだろ!?
「ジロー、お前真っ赤」
「うーあー」
「何?こーゆーこと考えてた?」
笑いながらブンちゃんの唇が降って来て、さっきまでお互いが食べてたアイスの味が混ざった。
「うん。この組み合わせも美味いな。次試してみっか」
わかっててやってるんだ、絶対。
もう脳ミソだけじゃなくて、俺自体アイスになって溶けちゃえば良いのに。


E.

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