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□じぇらしぃ
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俺はブンちゃんのことを信用してる。
ブンちゃんに浮気されることなんて考えたことすらない。
それは別に、浮気されないぐらいの魅力を持ってるっていう自信じゃなくて。
しいて言うなら俺はブンちゃんのことが大好きで、声に出して伝えてるC。
ブンちゃんはめったに言葉にはしないけど、態度や仕草で俺と同じくらい“好き”を伝えてくれる。
その、心が繋がってる感じ?が俺を安心させてくれてんだ、きっと。
だけど、俺はブンちゃんが大好きだから。
たまにシットしたりもしちゃうんだ。
たとえばブンちゃんのダブルス・パートナーの桑原とか。
ブンちゃんの練習する姿を一番近くで見れるなんてズルE!
学校が違うのも、ブンちゃんがダブルス・プレーヤーなのも、別に桑原のせいじゃないのはわかってる。
でも、どーしてもそう思っちゃうんだから、しょーがないよね!!


あと、これは比べることがそもそもの間違いなんだけど。
食べ物。
ガムやお菓子や、美味ぇもん全部。
美味しそうに食べるブンちゃんの目はいっつもキラキラしてて。
俺はブンちゃんをあんなに嬉しそうな顔させられてるかなあ…?
なんて、ホント、ごくたまに悩んだりする。
今も嬉しそうにショートケーキを頬張ってる。
普段は男前でカッコE顔が、子供みてぇ。
ガムだって、いっつもブンちゃんと一緒ってか口の中…羨まC。
「ジロー?」
「…ん?あ?ブンちゃん?俺今ねー、ブンちゃんのこと考えてた」
「そのワリには眠そーじゃん?」
「んー…?」
「ジロー」
ブンちゃんの唇がケーキから離れて、俺の耳元に。ちょっとくすぐったい。
「俺って結構嫉妬深いから」
そーだった。
氷帝仲間の名前出ただけでムッとするC、そーなった後のブンちゃんはちょっとイジワルでえっちぃ。
「俺だってたまにシットしちゃうよー?」
「へー、そりゃどうも」
「今だって、ケーキにシットしてた」
「ならあいこだな」
「え?」
「俺もお前の眠気に嫉妬してんの」


…やっぱり俺たちの心は繋がっていて、嫉妬深いとこもイジワルなとこもひっくるめて俺はブンちゃんが好きで。
桑原と組んで魅せるダブルスの試合も、日によって違うガムの味のチューも大好きで。
だけど、それだけは素直に伝えてやんない。
そんな俺のちょっとしたイジワル。


E.

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