† sin3 (長篇小説)
□夢から覚めても あなたを想う
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「エリクひょんに、夢の内容、話してなかったんだ?」
マンションに遊びに来た、ヘソンひょんに聞く
「エリクが、言ってたのか?」
「うん、気にしてた 」
「そう」
「どうして、言わなかったの? 」
「・・・・言ったら、本当になるから 」
「何それ?」
「言霊って言うんだ、言葉には魂が宿るって」
「えっと、つまりは、
ヘソンひょんが、探しても、
エリクひょんが、みつからない・・・・」
「うわぁ〜ジニ、声に出すなよ 」
ヘソンひょんが、慌てて俺の口を塞ぐ
「ひょん、もう遅いよ、エリクひょんに言っちゃったし 」
「ええっ?どうして言うんだよ!ジニのバカ 」
「エリクひょん、心配してたから 」
「・・・・・・」
泣き出しそうな顔で、ヘソンひょんが睨む
「あっ、でも大丈夫だよ 、
ヘソンひょんが、言ったわけじゃないから 、
言霊ってのは、宿らないよ」
誰だよ、ヘソンひょんに、そんな変な事、教えたのは
「ホント? 」
「ホント、ホント、良かったね。 」
「・・・うん 」
「どうしてまだ、そんな夢見るの? 」
「俺にも、わからないよ」
「・・・・・・」
「ただ、目が覚めて、
エリクがそばにいても、すぐには
夢なのか、現実なのか、分からなくて」
「それで、泣いちゃうんだ」
「泣いてない」
ヘソンひょんが、拗ねたように言う
「あの頃だって、泣いてたよ
夢見た後は、エリクがいない、エリクどこ?って」
「泣いてないって」
ヘソンひょんが、唇を尖らせ、ムキになって言う。
「わかったよ、泣いてないってことに、しとくよ」
「ジニのバカ」
拗ねた顔をした、ヘソンひょんを、腕の中に引き寄せる。
「長い間、同じ夢見てたから、混乱するんだ? 」
「うん」
ヘソンひょんが頷いた。
「時々思うんだ、
エリクと一緒にいても、これは夢なんだ、
いつか、覚めてしまうかも知れないって・・・・・」
不安げに微笑むヘソンひょんを、抱きしめる。
「ひょん、大丈夫だよ
現実だから、俺がハグしてるのわかる? 」
「うん 」
ヘソンひょんを、きつく抱きしめる。
「苦しいよ〜ジニ 」
腕の中で、ジタバタと暴れるヘソンひょんに、キスをする
「なんで、キスするんだよ 」
ヘソンひょんが、俺の胸をボコボコ叩く。
「現実だって、わかった?」
「わかった!って」
「よかったね、現実で」
「キスは余計だろ 」
ヘソンひょんが、小さな声で呟く。
可愛いよなぁ〜
エリクひょんに、独り占めされるのは、
勿体無いかも・・・・・・
2009年05月12日(Tue)