† sin1 (短篇小説)

□愛しのテディベア(エリク)
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【hyesung side】



「「「「ビンポ〜ン、ピンポン!ビンポン!ピンポン!」」」」



しつこく鳴りつづける、インターホンの音で目が覚めた



「・・・・う・・ん 」



ベッドからノソノソと這い出し、時計を見ると、明け方の5時!



こんな時間に来るのは、あいつしかいない!



「エリク〜、何時だと思ってんだ」



ドアを開けた途端、目の前を茶色いフワフワの物体が覆う。



「「「うわぁぁ〜 」」」



「ヘソ〜ン、誕生日おめでとう 」



「な、何?」



「俺の為に、生まれてきてくれて、ありがとう〜 」



ベタな台詞と共に入ってきたのはエリク



相変わらず、恥ずかしい奴だな



「別にお前の為に、生まれてきた訳じゃない」



「ヘソン、冷たい」



「エリク、うざい 」



夜勤開けで寝てないエリクは、妙にテンションが高い



「はい!これプレゼント」



大きなぬいぐるみを、俺に押しつける



「俺のこと、いくつだと思ってんだよ」



「まぁまぁ〜」



「なんで30過ぎて、クマのぬいぐるみ、もらわなきいけないんだよ 」



「俺がいない時は、これを俺だと思って」



エリクはそう言うと、服を脱ぎながら奥へと向かう



「デカすぎなんだよ」



大きなぬいぐるみを抱え、エリクの後をついていく



シャワールームについたエリクが振り返ると、俺を見てニヤニヤと笑う。



「何?ヘソン一緒に入る? 」



「・・・・入らねぇよ」



「そう?じゃ、いい子で待ってろよ」



「ばか〜」











クマと一緒にベッドに入り直し、いつものエリクの定位置に、クマを置いてみる



「くまぁ、韓国一の花美男の代わりだぞ、光栄に思えよ」



なかなか来ないエリクの代わりに、クマにしがみつく、ふわふわで気持ちいい









【eric side】



シャワーを浴びてベッドルームへ行くと、



ヘソンが、小さな寝息を立てていた。



プレゼントしたクマのぬいぐるみに、しっかりしがみついて眠っている。



可愛いよな〜



文句を言っていたが、どうやら気にいったらしい。



小さな子供のような、幸せそうな寝顔に、笑みがこぼれる。



ベッドに入り、ヘソンの手からそぉ〜と、ぬいぐるみを外すと、素早くヘソンの隣に滑り込む



すぐに、いつものようにヘソンが、しがみついてくる。



ヘソンを、そっと抱きしめる



「・・・・・やっぱりクマより、エリクのほうがいい」



眠ってると思っていた、ヘソンが小さな声でそう言った。



「当然だろ」



「・・・・・・エリク」



「なんだ?」



「俺は、・・・・お前の為に、生れてきてやったんだ」



生れてきてやった・・・って、



なんで、そんなに偉そうなんだ、



まあ、そんなとこも可愛いけど



「だから、最後まで責任とれよ」



命令口調でヘソンが、そう言う



「責任とって、嫁にもらってやる」



「・・そこまでしなくていい」



ヘソンが、小さく笑う



「わかってるよ、最後まで大切にするよ」



「うん」



はにかむように笑うヘソンを、ぎゅっと抱きしめる。










かわいいヘソン






綺麗なヘソン






この世に生れてきてくれて、ありがとう






いつも、愛してるよ






ずっと、愛してるよ






最後の最後まで、愛し続けるよ










今日は大切なヘソンが生まれた、大切な日








2009年11月27日(Fri)

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