† sin1 (短篇小説)
□甘えん坊なダーリン(エリク)
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「ムリ〜」
そう言って、バタバタと入ってきたヘソンは、
抱きしめようとする、俺の腕をすり抜け、
一目散に、ムリのいる部屋へ
ムリを抱き上げると
頬ずりして、嬉しそうに話しかける
『俺のことは? 』
「ちゃんと、ご飯食べてた?」
食べてたよ。ムリは
「寂しいって、泣いてなかった?」
泣いてなかったよ。ムリは
「ちゃんと寝てた?」
ちゃんと寝てたよ。ムリは
「よかった」
ヘソンが、安心したような顔で笑った。
『ヘソン、俺のことは?』
抱いてるムリごとヘソンを、そっと抱きしめる
見上げたヘソンが
腕の中で、笑う
笑顔のまま、俺にキスをした。
「ただいま、エリク」
「うん」
「ご飯ちゃんと食べてた? 」
「食べてない」
「寂しいって、泣いてなかった?」
「泣いてないけど、寂しかった。」
「ちゃんと寝てた?」
「ヘソンがいないと、眠れない。」
ヘソンは、ムリを床にそっと下ろした。
ムリは嬉しそうに、部屋中を走り回る。
ヘソンが、俺を抱きしめる。
「ムリより、甘えん坊だな」
2009/01/24